15.自分も自然の一部

「いのちを支えるスープ」で知られる料理家で、随筆家でもある辰巳芳子さんの本を読みました。

辰巳さんの本は、繰り返し何度も読んでいますが、読むたびに美しく、厳しく、優しい言葉に胸を撃たれます。

人のいのちについて考えるとき、自分の生き方について考えるとき、食や農の問題を考えるとき、子育てに悩むとき、自然の美しさを感じるとき、読むたびに心に響くところが少しずつ違ってくるのですが、いつも様々な導きを与えてくれます。

 

辰巳さんは、たくさんの著書の中で「風土に即して食べる」「自分も自然の一部であることを実感する」ことの大切さを繰り返し訴えられています。

風土への敏感さがなければ人は生きていきにくい。でも、都会の生活の中にいると、敏感さは否応なく消失していくと言います。

 

私は一椀の中に風土を入れる、とよく言っていますが、季節の中で自然に育まれる純粋な食べものこそ、自分自身もまた自然の一部だと教えてくれるものです。

(中略)

人間の生理代謝と季節の移り変わりとは、車の両輪のようなもの。自分を自然の中に置いてみる、自分も自然の一部であることを実感することが大切なのです。

 

生きているのがうれしいという人、人生を喜んで生きていく人が増えてほしい。そのためにも良い食材を残していきたいのです。本当に身体のために役に立つ、生命をイキイキと生かし、生命に呼応する食べ物、それが良い食材なのだと思います。

 

食材はものだけではありません。ものの向こうにはそれをつくる人がいるのですね。その人達の言葉は、ものを通して聞こえてくるもの。言葉にならない哲学がきっちり表現されているんです。私達の世代ばかりではなく、次の時代と地球とを引き継いでいく子供達に対して、健康で美味しい食材を伝え残していきたい。こころからそう思います。

 

(辰巳芳子著「生きるべきように生きれば、いつの日かかならず花は咲くものです」より)

 

 

私は、この10年ほどマンション暮らしですが、実家に住んでいた頃と違い、本当に自然に触れる機会が少なくなったなと思います。

小さい頃は、庭木や花、そこに来る鳥や虫から季節を感じ、田んぼや畑で土に触れ季節の野菜や果物などを見るのが当たり前、極めつけに小学校では真冬以外は裸足でグランドを走り回って過ごす(すごいでしょ!知らず知らずのうちにアーシング出来ていたみたい!)という環境で育ちましたから、その変化は肌で感じています。

 

実家で畑仕事を手伝うとき、山に登るとき、海を見て波の音を聞くとき、自然のなかに身を置くと、癒されたり、満たされたり、洗い流せたりと、心地よく包まれる感じがします。

ある知り合いの方は、自然から「吸い取れる」んだよねと仰います。ある友人は、自然に触れていると旦那さんが「人がよくなる」気がすると言います。毎週山に行くという方とお話していると、山の妖精なんじゃないかと思うほど「心地のよさを感じる」ことがあります。それはやはり、「人が自然の一部であることを思い出せるから」なんじゃないかなぁと思います。

 

辰巳さんは、「都会に住む人が自然に接する身近な機会は、自分の手で料理をつくること」と仰っています。食を通じて私たちが地球環境の一部として全部につながっているということなのです。

食べ方については、これが正解という結論はないのですが、風土に即して食べる、つまり身土不二という考えに基づき、昔からその土地(広義の意味で日本という国)に受け継がれている食材、料理法、保存法、調味料、食べ方などを大切にするということは、私たちにとって大きな道標になるのではないでしょうか。

そんなことを考えながら、自然の恵みと生産者の方のお仕事に想いを馳せ、食材を選び、料理という手仕事を積み重ね、感謝していただくという毎日を子どもたちに受け継いでいきたいなぁと思います。

 

アロマもハーブも、食と同じですね。

自然のもので自分をケアしたいという欲求は、自然を感じていたい、自然とつながっていたいという気持ちの表れだと思います。自然のエネルギー、植物のチカラを、生活の中に取り入れていければ、毎日をより健康にイキイキと過ごせるのではないでしょうか。

アロマ、ハーブ、食の妖精を目指す仲間を募集しております♡楽しく学び、実践しましょう!

 

aroma care work

「自然とアロマとハーブと栄養」がテーマ。
「こころ」と「からだ」の健康と美のために、care & workをお役立てください。

場所:福岡市南区大野城市
講師・セラピスト:きのしたちなつ

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