20.精油の化学を学ぶ意味

アロマテラピーで使用する精油が注目されているのは、感情や記憶、自律神経系や内分泌系、免疫系に作用し、心と身体に働きかけてくれる成分を有しているからです。

 

なぜ、精油の化学を学ぶのか。

それは、香りを楽しむだけではなく、身体にどのような影響があるのかを知る必要があるからです。

 

精油のひとつひとつの香りには、それぞれの作用があります。

精油は多種多様の芳香成分の混合体で、主に炭素C、水素H、酸素Oの3つの元素が結合し、わずかな並び方の違いでいろいろな香りが作り出されます。これを官能基といいます。

精油成分は、炭素と水素の並び方や結びつく官能基によっていくつかの香りのグループに分類され、グループに共通、また個々の成分固有の薬理作用があります。

  1. モノテルペン炭化水素
  2. セスキテルペン炭化水素
  3. アルコール類
  4. フェノール類
  5. アルデヒド
  6. ケトン類
  7. エステル類
  8. ラクトン類
  9. オキシド(オキサイド)類

 

例えば、ローズマリーユーカリ、ペパーミントは、みんなスーッとした香り精油たちですが、上記の9.オキシド(オキサイド)類に分類される「1,8-シネオール」という成分を共通して含んでいます。

「1,8-シネオール」の成分固有の作用には、「免疫調整作用」「抗炎症作用」があります。

「免疫調整」とは、低下している免疫を賦活したり、あるいは増強しすぎて
いる免疫能を低下させたりして、免疫機能のバランスを調整するという意味です。

「抗炎症」とは、炎症を緩和するという意味です。

「免疫調整作用」「抗炎症作用」をもつ精油は、花粉症の時期、呼吸器系の不調の時に活躍する精油ですが、香りは一口に「スーッとした香り」といっても、それぞれ特徴があり、好みも人それぞれです。

個々の精油化学的に分類し、作用の特徴を知ることにより、個々の精油の性質を知ることができます。精油の成分を知っておくと、期待する作用から、好みの香りの精油を選択することもできるのです。

また、数多くある文献から成分作用の研究報告を読み、エビデンス「科学的根拠」を知ることができますし、共通する成分を含む、他の精油についても知ることができ、知識の幅がさらに広がります

分析表をみて、ロット毎に異なる品質のチェックをすることもできます。

さらに、万が一、精油を使っていてアレルギー反応が出た場合、次のような対応ができます。

  1. ブレンドオイルの場合、何がブレンドされているか確認する
  2. パッチテストをして、どの精油に反応が出たのか確認する
  3. その精油化学式を見る
  4. 構造を確認し、近い構造の精油を知っておく

そうすると、その後にアレルギー反応を避けるのに役立つのです。

 

つまり、成分のグループ名、主要成分の名前、作用を知っていくと、アロマテラピーより効果的に、より安全に利用することができるのですね。

化学も、知れば知るほどワクワク。楽しいですよ!

 

aroma care work

「自然とアロマとハーブと栄養」がテーマ。
「こころ」と「からだ」の健康と美のために、care & workをお役立てください。

場所:福岡市南区大野城市
講師・セラピスト:きのしたちなつ

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